2016.08.19
閃いた!枠を削らず石を削る!
天然石で作るジュエリーデザイナーの加藤由子です。
カボションカットの天然石をたっぷりと仕入れましたので、それらにゴールドの枠を作っています。
こちらがその枠の一部。
白く映っていますが、すべて10金で上がっています。
磨くと綺麗なゴールドが出てくるんですよ。
この枠、結構華奢なんです。
通常石枠は、石に合わせて枠を削っていくんですが、今回の枠はとっても華奢。
枠を削ると形も変形しやすくなるし薄くなってしまうので、どうしたものかとちょっと悩みました。
で、ひらめいたのが
石の方を削っちゃおう!
石にも硬いものともろいものがあるので、そこはよくしらべました。
試しにローズクォーツを削ってみることに・・・。
こちらがそのローズクォーツと枠。
ワックスで制作するときには、石にぴったりと合わせていたんですが、鋳造すると少し縮むみたいです。
なので、ピタッと枠がはまりません。
では、削ってみましょう!
と、石を削るその前に、まずは枠から磨きます。
枠にぽちっとついた物体がわかりますか?
これは鋳造するときにできる湯口と呼ばれるもの。
これをやすりで丁寧に削ります。
彫金を始めたころは、この湯口を削るのにも一苦労だったんですが、何度も削っているとコツをつかむんですね~。
ささっと削れるようになりました^^
ある程度削れたら、やすりも細かいものに変えて、表面をならします。
このとき、枠の角も綺麗に丸く整えます。
身に着けた時に引っかかるといけないので^^
そういう細かいところは、手仕事の利点ですね♪
次は、紙やすりをロール状にした工具で全体をざっと磨きます。
綺麗なゴールドが出てきましたよ♪
この工具、荒いものから細かいものへ変えていきます。
この時点でだいぶんピカピカです^^
ちらっとピカピカなのが写っています。
研磨剤を付けたフェルトポイントで丁寧に磨きます。
最後は豆バフで仕上げます。
つやつやで濡れたような艶が出るのがもうたまらなく好きです。
さて、次はいよいよ石を削る工程へ。
石を削るときはダイヤモンドポイントを使います。
白い粉が舞って舞って、マスク必須です。。
削る→枠に合わせる→削る→枠に合わせる
をひたすら繰り返して、ピッタリ収まるように修正していきます。
さっきも登場した、ペーパーやすり!
そう、工程は枠の時と同じっ!
シリコンポイントは2種類使いました。
と、なんかいやな予感。
削っているところが黒く変色してるー!!
と思いつつもとりあえず最後までやってみる^^;
豆バフかけたらもう黒一色・・・。
これって失敗?どうよどうよ??
と思いつつも続けてみると。
あれ、なんかつやっとしたものが見えた!
水をつけて柔らかい布でごしごしこすってみると、なんとまぁ!ぴっかぴか!
ほら!研磨したなんてわからないくらいピカピカになりましたっ!
枠に合うかしら・・ドキドキ・・・
ピッタリっ!
枠も丁寧に研磨したので、引っ掛かりもなくとってもなめらか!
これからカンを取り付けてピアスになります。
シンプルだけど大粒ちゃん。
ほんのりクラックが入っているのも愛嬌愛嬌^^
世界に一つのローズクォーツジュエリーです。
さて、ピアス金具も手作りします・・。
先は長い!