2026.04.03
信頼で繋ぐエメラルドのリフォーム
昨年10月、初めて開催した展示会。
緊張の中でのスタートでしたが、多くの方にお越しいただき、私自身もとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
本日ご紹介するのは、その時にお会いしたお客様のエメラルドです。
お持ちいただいた宝石はどれも素晴らしく、「ぜひもっと出番を増やして差し上げたい」と感じるものばかりでした。
その中から、今回はエメラルドのリフォームについてお話しします。

元々は、両脇に大きなダイヤがあしらわれた華やかなリングでした。
主役のエメラルドは非常に大きく、今これほどのサイズを手に入れようとすれば、かなりの勇気がいる金額になるはずです。
エメラルドは非常に繊細で割れやすい性質を持つため、リフォームを辞退される業者さんもいらっしゃるほど、扱いには細心の注意が必要です。
私自身も、お預かりする際は常に緊張感を持っています。
そのため、エメラルドをお預かりした際は入念なチェックを欠かしません。
目視で欠けやクラックの状態を細かく確認いたします。
古いお品の場合、爪で固定されていることで形を保っているケースもあり、石を外すために爪を起こした瞬間に割れてしまうリスクもゼロではないからです。
こうしたリスクについては、事前に必ずお客様へご説明いたします。
万が一割れてしまった場合にどう対応するかまで、納得いただけるまでお話しした上で進めていきます。
無事に石を外せた後も、今度は新しい枠に留める際に割れる可能性もあります。
その都度、職人さんと密に連絡を取り合い、最善の方法を打ち合わせています。
また、石への負担を減らすため、大きなエメラルドのリフォームでは「ふくりん留め」は避け、割り爪などで優しく留めるようにしています。
カウンセリングの時間は、こうしたエメラルドの特性についてもお客様と一緒に学ぶ、大切なプロセスだと考えています。

※CAD作成データ
今回は、リングからネックレスへとお仕立て直しいたしました。
トップにはプラチナを、チェーンには18金を使用しています。
地金をミックスすることで、お手持ちのプラチナジュエリーにも、ゴールドのジュエリーにも合わせやすくなりました。

宝石をリフォームするということは、単に形を変えるだけでなく、その石が持つ特性やリスクとも正面から向き合うことだと思っています。
特にエメラルドのような繊細なお石は、お客様との信頼関係があってこそ形にできるものです。
「わからない」という不安を一つずつ解消し、納得していただいた上で出来上がったジュエリーは、これから先も長く、安心してお使いいただけるはずです。
大切な宝石を、これからも自信を持って身に着けていただけるように。
これからも、誠実な手仕事を積み重ねていきたいです。